埼玉県民間事業者CO₂排出削減設備導入補助金とは?
空調設備やボイラーが老朽化していて、省エネ設備への更新を検討している——そんな埼玉県内の中小企業の方に向けた補助金です。補助率1/2、上限500万円(1事業所あたり)で、高効率設備への更新や太陽光発電設備の導入に使えます。対象者・対象設備・申請の流れを行政書士がわかりやすく解説します。
最終更新日: 2026.10.22|監修: 行政書士法人クロノス(代表社員 黒川光智)代表プロフィールを見る
どんな補助金?(制度概要)
埼玉県民間事業者CO₂排出削減設備導入補助金(緊急対策枠)は、埼玉県が実施する省エネ・脱炭素化支援の補助制度です。国の「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」を財源に、埼玉県内で事業を営む中小企業等を対象として、空調設備・ボイラー等の高効率設備への更新、太陽光発電設備などの再生可能エネルギー利用設備の導入、重油から都市ガス等への燃料転換に要する経費の一部を補助します。
令和7年度補正予算により創設された緊急対策枠として実施されており、「初回枠」と「リピーター枠」の2つの区分があります。初回枠(予算11億円)は令和8年4月27日から7月27日まで受付を行い、受付を終了しています。リピーター枠(予算9億円)は過去に緊急対策枠の受給実績がある事業者を対象とした区分で、令和8年4月27日から予算額に達するまで受付を継続しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 内容:埼玉県民間事業者CO₂排出削減設備導入補助金(緊急対策枠) |
| 実施機関 | 内容:埼玉県環境部温暖化対策課 |
| 補助上限額 | 内容:500万円(1事業所あたり) |
| 補助率 | 内容:1/2 |
| 受付区分 | 内容:初回枠:受付終了(2026年7月27日)/リピーター枠:受付中(予算額到達まで) |
| 対象事業者 | 内容:【初回枠】埼玉県内で1年以上事業活動を営む事業者(会社の場合は中小企業者に限る)/【リピーター枠】同上の要件に加え、過去に本補助金緊急対策枠で交付決定を受けた事業者のみ |
2つの申請枠について
この補助金には「初回枠」と「リピーター枠」の2つの申請区分があります。以下の表で違いを確認してください。
| 項目 | 初回枠 | リピーター枠 |
|---|---|---|
| 対象者 | 初めて緊急対策枠に申請する事業者 | 過去に緊急対策枠の受給実績がある事業者 |
| 予算額 | 11億円 | 9億円 |
| 補助率 | 1/2 | 1/2 |
| 補助上限額 | 500万円(1事業所あたり) | 500万円(1事業所あたり) |
| 交付決定方法 | 電子申請受付順(先着順)で交付決定 | 電子申請受付順(先着順)で交付決定 |
| 受付状況 | 2026年7月27日をもって受付終了 | 受付中(予算額に達するまで) |
リピーター枠の「緊急対策枠の受給実績」とは、本補助金(埼玉県民間事業者CO₂排出削減設備導入補助金)の緊急対策枠において、過去に交付決定を受けたことがある場合を指します。他の補助金制度の受給実績では対象になりません。
補助上限額・補助率
補助率は補助対象経費の1/2で、初回枠・リピーター枠ともに共通です。補助上限額は1事業所あたり500万円です。1者が複数の事業所において申請する場合は事業所ごとの申請となり、1事業所あたりの上限が適用されます。なお、補助金額に1万円未満の端数が生じた場合は、切り捨てた額となります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 内容:補助対象経費の1/2 |
| 補助上限額(1事業所あたり) | 内容:500万円 |
| 補助対象経費の最低額 | 内容:60万円以上(合計) |
| 端数処理 | 内容:1万円未満の端数は切り捨て |
| 複数事業所の取り扱い | 内容:事業所ごとに申請。1事業所あたり500万円が上限 |
補助対象経費の合計が60万円を下回る場合は申請できません。設備費・工事費(労務費・設計費・材料費を含む)が対象経費に含まれます。
※補助上限・補助率・対象経費は公募回により変わります。申請前に最新の公募要領(各実施機関の公式情報)を必ずご確認ください。(本ページ最終確認: 2026-10)
対象となる事業者・要件
次の要件をすべて満たす法人または個人事業主が対象となり得ます。なお、現在受付中のリピーター枠は「過去に本補助金(埼玉県民間事業者CO₂排出削減設備導入補助金)の緊急対策枠で交付決定を受けた事業者」のみが対象となります。
- •埼玉県内で1年以上事業活動を営んでいる法人または個人事業主であること
- •会社の場合は、中小企業基本法(昭和38年法律第154号)第2条第1項のいずれかの号に該当する中小企業者であること(業種別に資本金・従業員数の基準がある。詳細は下表を参照)
- •申請時点で稼働期間が1年以上(再生可能エネルギー利用設備を設置する場合は1か月以上)の県内に所在する事業所において設備を導入すること
- •自ら所有または賃貸借している事業所であること(住居兼事業所の場合は住居部分が対象外)
| 業種 | 資本金(上限) | 従業員数(上限) |
|---|---|---|
| 製造業・建設業・運輸業等 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
上記の資本金または従業員数のいずれかを満たす場合に中小企業者とみなされます(両方を超える場合は対象外)。なお、個人事業主については従業員数の基準が適用されます。業種の判断や詳細な要件については、最新の公募要領または事務局への確認をおすすめします。
- −令和8年度予算による「スマートCO₂排出削減設備導入補助金」を受給した、または受給予定の事業者は対象外
- −住居兼事業所の場合、住居部分は補助対象外(エネルギー使用量のメーターが事業所用と居住用で共通の場合も含む)
- −暴力団員等に該当する事業者は対象外
補助対象設備・補助対象経費
補助対象となる設備は次の3種別です。いずれも「補助対象経費が60万円以上であること」と「CO₂排出量が削減されること」が共通要件となります。
高効率設備への更新(設備種別1)
空調設備、ボイラー本体設備、コンプレッサー設備、変圧器、冷凍冷蔵庫設備等を対象とします。申請要件として「既存設備が製造から15年以上経過していること」と「高効率設備への更新であること」が必要です。高効率設備の定義は「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律(省エネ法)のトップランナー基準達成率100%以上の設備」「経済産業省所管の省エネルギー投資促進支援事業(Ⅲ)設備単位型の補助対象設備」「一般的な設備と比べ10%以上の省エネ改善効果が確認できるその他の設備」のいずれかに該当するものです。照明設備は対象外です。また、能力増強に係る部分は原則として対象外となります。
再生可能エネルギーの利用設備(設備種別2)
太陽光発電設備、バイオマス発電設備、小水力発電設備等の再エネ設備、および再エネ設備と組み合わせた蓄電池設置が対象です。年間想定発電量の65%程度を目安として当該事業所で自ら消費することが要件となります。太陽光発電設備については蓄電池を同時に導入することが必要です。なお、既存の太陽光発電設備に蓄電池のみを新規設置することは可能です。再エネ設備を設置する事業所については、稼働期間が1か月以上であれば申請できます(他の設備種別では1年以上が必要)。
CO₂排出量の少ない燃料等を使用した設備への更新(設備種別3)
重油焚きボイラーの都市ガスやLPG等への燃料転換・ヒートポンプ化、コジェネレーション設備、インバータ制御等の導入等が対象です。設備更新を伴う場合は、高効率設備(設備種別1の定義と同様)への更新であることが必要です。
- −照明設備(設備種別1では対象外)
- −能力増強に係る経費(原則対象外)
- −既存設備の撤去費・処分費
- −消費税
- −住居兼事業所の住居部分に係る設備
- −補助対象経費の合計が60万円を下回る案件
スケジュール
本補助金は令和7年度補正予算を財源とする緊急対策枠として実施されています。初回枠は受付を終了しており、現在はリピーター枠のみ受付中です。
| 項目 | 初回枠 | リピーター枠 |
|---|---|---|
| 申請受付開始 | 2026年4月27日(受付終了) | 2026年4月27日(受付中) |
| 申請受付終了 | 2026年7月27日(受付終了済み) | 予算額に達するまで(終了日未定) |
| 交付決定方法 | 先着順(電子申請受付順) | 先着順(電子申請受付順) |
| 実績報告期限 | 令和9年1月15日 | 令和9年1月15日 |
リピーター枠は予算9億円の範囲内で電子申請受付順(先着順)に審査・交付決定されます。予算額に達した時点で受付が終了するため、申請を検討している方は速やかな準備が求められます。終了日は予算到達のタイミング次第であり、埼玉県公式ページで最新情報をご確認ください。
申請の流れ
要件確認・事前準備
対象事業者・対象事業所・対象設備の要件を公募要領で確認します。特に高効率設備の「製造から15年以上経過」の確認、設備が高効率設備の定義を満たすかどうかの確認が重要です。不明点は補助金事務局(電話:050-1871-2800)に事前確認することをおすすめします。
電子申請システムへのアクセス・アカウント登録
埼玉県の補助金電子申請システムにアクセスし、アカウントを登録します。申請はすべて電子申請のみで受け付けており、郵送・メール・FAXによる申請はできません。
申請書類の作成・入力
様式第1号(補助金交付申請書)と様式第1号別紙(CO₂削減量算定シート)を作成します。CO₂削減量算定シートでは、導入する設備によるCO₂排出削減量の計算が必要です。見積書・仕様書等の添付書類も準備します。
電子申請・交付決定(先着順)
システム上で申請書類を提出します。交付決定は電子申請受付順(先着順)で行われます。交付決定通知が届いた後に設備の発注・契約・工事を行ってください。交付決定前に設備の発注・契約・工事に着手した場合は、原則として補助対象外となります。
設備導入・事業実施
交付決定通知を受けた後、補助対象設備の発注・契約・工事を行います。事業実施中に変更が生じた場合は、様式第4号(変更(廃止)承認申請書)または様式第5号(事業変更届)を提出します。
実績報告(令和9年1月15日締切)
設備導入完了後、様式第10号(実績報告書)に請求書・納品書・工事写真等の証拠書類を添えて提出します。実績報告の期限は令和9年1月15日です。
補助金交付
実績報告の内容が確認された後、補助金が交付されます。交付申請→交付決定→設備発注・実施・支払→実績報告→補助金入金の順序で手続きが進みます。
申請前に押さえておきたいポイント
交付決定前の着手は補助対象外
補助金の交付決定通知を受ける前に設備の発注・契約・工事に着手した場合は、原則として補助対象外となります。設備の選定・見積取得はできますが、実際の発注・契約は採択・交付決定後に行うことが必要です。
高効率設備の要件確認は事前に
設備種別1(高効率設備への更新)を申請する場合、「既存設備が製造から15年以上経過していること」と「導入予定設備が高効率設備の定義を満たすこと」の両方を事前に確認する必要があります。設備カタログや製造銘板、省エネ法のトップランナー基準適合証明書等の書類準備が必要となる場合があります。判断に迷う場合は、申請前に事務局へ確認することをおすすめします。
太陽光発電設備は蓄電池との同時導入が条件
再生可能エネルギー設備として太陽光発電設備を導入する場合は、蓄電池を同時に設置することが要件です。太陽光発電設備のみの申請は認められません。ただし、既存の太陽光発電設備がある事業所において蓄電池のみを新規設置することは可能です。
「スマートCO₂排出削減設備導入補助金」との重複受給不可
令和8年度予算による「スマートCO₂排出削減設備導入補助金」を受給した、または受給予定の事業者は本補助金(緊急対策枠)の対象外となります。どちらの制度を利用するかは、対象設備・補助条件を比較した上で選択してください。
注意点
- •本補助金の手続きは「交付申請→交付決定→設備の発注・実施・支払→実績報告→補助金入金」の順序で進みます。交付決定前に設備の発注・契約・工事に着手した場合は、原則として補助対象外となります。
- •初回枠は2026年7月27日をもって受付を終了しています。現在受付中のリピーター枠は、過去に本補助金の緊急対策枠で交付決定を受けた事業者のみが対象です。
- •1事業所あたりの補助上限額は500万円です。1者が複数事業所で申請する場合は事業所ごとの申請となり、事業所単位の上限が適用されます。複数事業所にわたる合算上限の取り扱い等の詳細は、最新の公募要領または補助金事務局(050-1871-2800)にご確認ください。
- •補助対象経費の合計が60万円を下回る案件は申請できません。消費税・撤去費は対象外です。能力増強に係る経費は原則として対象外となります(詳細は公募要領を確認)。
- •本記事の内容は一般的な解説であり、個別の案件が補助対象となるかどうかの最終判断は埼玉県・事務局が行います。要件に不安がある場合は、設備発注の前に必ず事務局(050-1871-2800)または埼玉県温暖化対策課へご確認ください。
- •本記事は令和8年(2026年)10月時点の埼玉県公式ページおよびjGrantsの掲載情報に基づく内容です。受付状況・制度内容の最新情報は必ず埼玉県公式ページでご確認ください。
よくある質問
Q埼玉県民間事業者CO₂排出削減設備導入補助金(緊急対策枠)は今から申請できますか。
2026年10月時点では、過去に本補助金の緊急対策枠で交付決定を受けた事業者向けの「リピーター枠」が受付中です。初めて申請する事業者を対象とした「初回枠」は2026年7月27日に受付を終了しています。リピーター枠は予算9億円の範囲内で電子申請受付順(先着順)に審査・交付決定されますので、要件を満たす方はお早めに申請手続きを進めてください。
Q個人事業主も申請できますか。
要件を満たす場合に申請できます。埼玉県内で1年以上事業活動を営んでいる個人事業主も対象です。会社の場合は中小企業者の要件(業種別の資本金・従業員数基準)がありますが、個人事業主については従業員数の基準が適用されます。ただし、現在受付中のリピーター枠は「過去に本補助金の緊急対策枠で交付決定を受けた事業者」のみが対象となりますので、初めて申請される方は受付終了済みの初回枠の対象であり、現時点では申請できません。
Q空調設備を更新したいのですが、どのような要件がありますか。
空調設備は「高効率設備への更新(設備種別1)」として申請できます。主な要件は「既存設備が製造から15年以上経過していること」と「導入する設備が高効率設備の定義(省エネ法〔エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律〕のトップランナー基準達成率100%以上等)を満たすこと」です。また、補助対象経費の合計が60万円以上であることも必要です。対象となるかどうか判断に迷う場合は、申請前に事務局へ確認することをおすすめします。
Q太陽光発電設備だけを導入したいのですが、申請できますか。
再生可能エネルギー設備として太陽光発電設備を申請する場合は、蓄電池を同時に導入することが条件です。太陽光発電設備のみでの申請は認められません。ただし、既存の太陽光発電設備がある事業所において蓄電池のみを新規設置する場合は申請できます。
Q採択されると確実に補助金がもらえますか。
交付決定は補助金受給の前提となりますが、交付決定後であっても補助対象要件を満たさない経費が生じた場合や、実績報告の内容に不備がある場合は、減額または不交付となる場合があります。また、補助事業の適正な実施が確認されることが交付の条件です。なお、交付決定前に設備の発注・着工をした場合は、原則として補助対象外となります(詳細は公募要領を確認)。
Q他の補助金と併用できますか。
令和8年度予算による「スマートCO₂排出削減設備導入補助金」を受給した、または受給予定の場合は本補助金(緊急対策枠)の対象外となります。その他の補助金との併用については、最新の公募要領・交付要綱または事務局にご確認ください。同一経費への二重補助は原則として認められません。
Q自分で申請するのが難しそうです。専門家に相談できますか。
申請書類の作成や要件確認には、補助金に精通した行政書士等の専門家への相談も選択肢です。特に「対象設備かどうかの確認」「CO₂削減量算定シートの作成」「交付決定前着手の回避」は誤りやすいポイントです。書類準備のサポートを希望される場合は、当事務所にもご相談ください。
公式情報(一次情報)
本記事は上記の公式情報をもとに作成しています。申請にあたっては必ず最新の公募要領をご確認ください。
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