高度安全機械等導入支援補助金とは?
建設現場の労働災害を防ぐ安全装置の導入を検討している建設業の方へ。国の補助制度を使って、車両系建設機械への安全装置導入にかかる費用負担を抑える方法をご紹介します。
最終更新日: 2026.07.28|監修: 行政書士法人クロノス(代表社員 黒川光智)
どんな補助金?(制度概要)
高度安全機械等導入支援補助金は、積載形トラッククレーンや油圧ショベルなどの車両系建設機械に、自動で減速・停止する機能や周囲を監視・警告する機能を持つ高度な安全装置を取り付ける中小企業の建設業者に対して、その購入費用の一部を補助する制度です。実施主体は建設業労働災害防止協会(建災防)で、厚生労働省の補助を受けて運営されています。
建設現場では、後退時の巻き込みや機械の転倒・接触といった労働災害が後を絶ちません。この制度は、そうした災害を未然に防ぐための安全装置の導入を後押しする目的で実施されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 高度安全機械等導入支援補助金事業 |
| 実施機関 | 建設業労働災害防止協会(建災防) |
| 対象者 | 建設業許可を有する中小企業事業者等 |
| 補助上限額 | 1台あたり50万円〜100万円(装置の種類による) |
| 補助率 | 対象経費(安全装置購入費)の1/2 |
| 令和8年度の受付期間 | 令和8年5月15日〜令和9年1月28日(予算上限に達し次第、期間内でも終了) |
補助上限額・補助率
補助の対象となるのは、次の4種類の車両系建設機械に取り付ける安全装置です。装置の種類によって、1台あたりの補助上限額が異なります。
| 対象機械 | 安全装置の種類 | 補助上限額(1台あたり) |
|---|---|---|
| 積載形トラッククレーン | 過負荷防止装置(JCAS 2209-2024またはJCAS 2204-2021規格に準拠するもの) | 100万円 |
| 油圧ショベル・ホイールローダー・締固め用機械 | 自動減速・停止機能を有する安全装置 | 100万円 |
| 油圧ショベル・ホイールローダー・締固め用機械 | 監視・警告機能を有する安全装置 | 50万円 |
補助金額は「安全装置の購入費(見積金額・税抜き)×1/2」と上表の上限額を比べ、低い方の金額になります。対象となるのは安全装置本体の購入費であり、機械本体の購入費は補助の対象になりません。
- •1つの申請で対象になる装置は1台までです(一申請一台)
- •同一事業者が同一年度内に申請できる補助金額の合計は500万円が上限です
- •対象機械が新品・中古のいずれであっても、装着する安全装置の要件を満たせば対象になります
- •後付けで安全装置を取り付ける場合は、その機械の所有権を証明する書類が必要です
※補助上限・補助率・対象経費は公募回により変わります。申請前に最新の公募要領(各実施機関の公式情報)を必ずご確認ください。(本ページ最終確認: 2026-07)
対象となる事業者・要件
この補助金の対象となるのは、次の要件を満たす事業者です。
- •建設業許可を有する中小企業事業者等であること
- •中小企業の基準(資本金3億円以下または従業員300人以下。業種により基準が異なります)に該当すること
- •補助対象となる安全装置を、要件を満たす車両系建設機械に取り付けること
- −建設業許可を持たない事業者は対象になりません
- −交付決定を受ける前に安全装置を購入・契約した場合(仮申請後の割賦契約締結を含みます)は対象になりません
- −自社が中小企業の基準に該当するかどうかが不明な場合は、断定せず建設業労働災害防止協会にご確認ください
補助対象経費
補助対象となるのは、要件を満たす安全装置本体の購入費です。新品・中古の対象機械への後付けで安全装置を導入する場合も対象になります。
- •対象機械(積載形トラッククレーン、油圧ショベル、ホイールローダー、締固め用機械)に取り付ける安全装置本体の購入費
- −対象機械本体の購入費は補助対象に含まれません(対象は安全装置の購入費のみです)
- −交付決定前に発注・購入・契約(割賦契約を含みます)した安全装置は補助の対象になりません
スケジュール
令和8年度のスケジュールは、次のとおりです。
| 項目 | 期間・期限 |
|---|---|
| 申請受付期間 | 令和8年5月15日〜令和9年1月28日(予算上限に達し次第、期間内でも公募終了) |
| 交付申請の審査期間 | 申請から交付決定まで概ね1〜1.5か月 |
| 支給請求期限 | 令和9年2月18日(必着) |
| 支給請求の審査期間 | 請求から支給決定まで概ね1〜1.5か月 |
予算上限に注意
令和8年度の予算はおおむね1.75億円です。予算を上回る申請があった場合、受付期間の途中であっても公募が中止されることがあります。設備投資の検討は早めに進めることをおすすめします。
申請の流れ
Web仮申請
建設業労働災害防止協会の申請フォームから、Webで仮申請を行います。
必要書類の提出
仮申請から7日以内に、見積書(メーカー名・型番・税抜き金額を明記したもの)等の必要書類をPDFで送付します。
交付申請の審査
建災防が申請内容を審査します。審査には概ね1〜1.5か月かかります。
交付決定
審査を通過すると、交付決定通知がメールで届きます。交付決定前に安全装置を購入・契約すると補助の対象外になるため、必ず決定後に発注してください。
安全装置の購入・取り付け
交付決定後に安全装置を発注し、対象機械に取り付けます。
支給請求書の提出
納品書、領収書、譲渡証明書、労働保険料納付証明書(積載形トラッククレーンの場合はJCAS規格適合証明書も)を添えて、支給請求書を提出します。請求期限は令和9年2月18日必着です。
支給決定・振込
建災防が支給請求内容を審査し(概ね1〜1.5か月)、支給決定後に補助金が振り込まれます。
申請前に押さえたいポイント
交付決定前の購入・契約は厳禁
交付決定前に安全装置を購入・契約した場合は、補助の対象になりません。Web仮申請後に割賦契約を締結した場合も対象外となるため、必ず交付決定を受けてから発注してください。
積載形トラッククレーンはJCAS規格の確認を
積載形トラッククレーンに取り付ける過負荷防止装置は、JCAS 2209-2024またはJCAS 2204-2021規格に準拠している必要があります。導入前にメーカーへ規格適合を確認しておくと安心です。
予算上限による公募中止に注意
令和8年度の予算はおおむね1.75億円です。予算を上回る申請があった場合、受付期間(令和9年1月28日まで)の途中であっても公募が中止されることがあります。
補助を受けた機械は5年間の保管が必要
補助金の交付を受けた対象機械(安全装置を取り付けた機械)は、法令により5年間の保管が義務付けられています。
注意点
- •交付決定前に安全装置を購入・契約した場合(仮申請後の割賦契約締結を含みます)は、補助の対象になりません。
- •令和8年度の予算はおおむね1.75億円です。予算を上回る申請があった場合、受付期間内であっても公募が中止されることがあります。
- •同一事業者が同一年度内に申請できる補助金額の合計は500万円が上限です(1つの申請で対象になる装置は1台までです)。
- •積載形トラッククレーンの過負荷防止装置は、JCAS 2209-2024またはJCAS 2204-2021規格に準拠している必要があります。
- •補助金の交付を受けた対象機械は、法令により5年間の保管が必要です。
- •本記事は2026年7月時点で建設業労働災害防止協会が公表した情報(令和8年度交付要領等)に基づきます。実際の交付要領は変更される場合がありますので、申請前に必ず最新の情報をご確認ください。
よくある質問
Qこの補助金は審査で採否が決まる制度ですか?
選考によって採否が決まる競争的な補助金ではなく、要件を満たす申請を受け付ける制度です。ただし予算の範囲内で実施されるため、令和8年度の予算(おおむね1.75億円)に達した場合は、受付期間内であっても公募が終了します。早めの申請をおすすめします。
Q中古の建設機械に取り付ける安全装置も対象ですか?
対象機械が新品・中古のいずれであっても、取り付ける安全装置が要件を満たせば対象になります。既存の機械に後付けで安全装置を取り付ける場合は、その機械の所有権を証明する書類が必要です。
Q建設業許可を持っていない事業者は申請できますか?
建設業許可を有する中小企業事業者等が対象のため、建設業許可を持たない事業者は対象になりません。
Q1つの事業者で何台まで申請できますか?
1つの申請で対象になる装置は1台までです(一申請一台)。ただし同一年度内であれば、合計500万円を上限に複数回申請することができます。
Q急いで安全装置を購入してしまった場合、後から申請できますか?
できません。交付決定前に購入・契約(割賦契約を含みます)した安全装置は、補助の対象になりません。必ず交付決定を受けてから発注してください。
Q対象機械本体を新しく購入する費用も補助されますか?
対象になりません。この制度が補助するのは安全装置の購入費であり、機械本体の購入費は補助対象に含まれません。
Q申請は自力でもできますか。専門家に依頼したほうがよいですか?
建災防への直接申請も可能な制度ですが、対象となる安全装置の規格要件の確認や、見積書・譲渡証明書など必要書類の準備には迷いやすい点もあります。行政書士法人クロノスでは、申請書類の準備・確認のサポートを行っています。
公式情報(一次情報)
本記事は上記の公式情報をもとに作成しています。申請にあたっては必ず最新の公募要領をご確認ください。